何故言葉を紡ぐのか~受け継がれた知恵、風化させたくない感情~

13年間の頭痛外来の経験をもとにして、先日頭痛ラジオを始めた。あらためて本を読みなおしたり、思い返してみると、今までに出会ってきた患者さんたちのことがまざまざと脳裏に浮かんでくる。頭痛外来はよくなると「卒業」するので、今診ている方はほとんどいない。そのまま頭痛は無くなっているだろうか。別の体調不良にさいなまれていないだろうか。

 何故こうやって発信しようとするのか。今までに得た知識、経験を、他の人に還元しないといけない。私だけの胸の内に秘めておくにはもったいない。今役立てられるべき人に届けないと。そういう気持ちは確かにあった。しかし、それだけではない。衝動のような気持ち。それが確かにもう一つの原動力となっている。

 それが今回分かった気がする。私は、書くことによって、語ることによって、これまでの人生を生き直したい。今までの出会いと別れを風化させたくない。つまり、ずっと忘れたくない。だから拙い言葉を紡ぎ、舌足らずの語りを続けるのだということに、あらためて気づいた。

 あまりにも茫漠とし、あまりにも神経をすり減らす動画の作成に、少し逃げつつあった最近。形にこだわるにつれて、自由に語れなくなっていた。

大変なことほど、楽しんで行わないといけない、あらためてそんなことに気づかされた。今までの患者さんとの触れ合いを思い出しながら、生き直しとしての文章、動画の作成を頑張っていきたいと思う。

 

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神奈川県藤沢市で「藤沢在宅クリニック」を開いています。 患者さんのお宅や施設に訪問して診療する、在宅医です。 YouTubeで健康チャンネルを不定期配信しています。 「在宅医が語る!健康チャンネル」 https://www.youtube.com/channel/UC9YxLfSunPnVClEMW04Jeuw ☆著作「在宅医の告白~多死社会のリアル~」(2018.2.26 幻冬舎MC)